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2014-06-30 プリンシプルからはじめよう

_ [仕事][電波] プリンシプルからはじめよう

  たまたま、無線LANの技適などについて、考えさせられる事があったので、アゴラに無線LANのグローバル化と規制緩和という記事を書いたところ、そこそこにいろいろな反応を頂いた。Twitterで「かつてMISで技術に突っ走って大コケした真野氏の記事。」なんてコメントまであった。orz...

  この記事は、業界人というよりは一般の方の素朴な疑問に答える事を目的としたので、なるべく専門用語や技術的な解説は避けた。これによって、逆に技術に明るい方からは、おいおいそれは飛躍し過ぎだろうというご意見もあった。具体的には、「声が届くように、電波が世界中に届くという説明は飛躍しすぎではないでしょうか。」というものだ。というわけで、なんでそんな大雑把な書き方をするかについて、ちょっとこっちに書いてみる。

  僕は、物事を理解するには、まずは原理原則を捉えることがとても重要だと常々考えている。例えばプログラミングを教えるのに、目の前にある特定の言語の使い方を覚える前に、まずデータ構造とアルゴリズムとか、アーキテクチャをしっかりと理解し学んだ人は、特定の言語に限らないプログラミング能力を身につける。また、電子回路を特定の回路実装から入るのではなく、ブロック設計をし、四パラやレベルダイヤなどから取り組む人が、適応性が広く、良いエンジニアになる事例からも判るだろう。

  というわけで、電波の干渉や特性の話しをするにあたって、「どこかで電波を誰かが輻射すれば、それは世界中に届く」という意味の事を書いた。これは、飛躍でもなんでもなく、物理現象のプリンシプルである。

  このセンテンスには、何ワットの電波を輻射するとも、周波数がいくつとも、アンテナやその高さなども、一切含まれていない。大事なことは、電波は輻射されたら四方八方に伝搬するという事が、はじめにありきということだ。

  ここで、通信ができるかどうかと、伝搬する(届く)ということは違い、伝搬するということ=他に干渉を行す要因となりうるというのが、絶対的に真であるということを理解してもらいたかったのだ。

  実際には、輻射する電力、途中の障害物、アンテナの特性、周波数等によって、届く先において受信する信号の強さは異なる。一般には、この受信する電力とノイズの比率が一定の大きさ以上でなければ、通信が出来ないため、これをもってして、受信出来ないということになるが、それは諸々の条件下における特異解である。

  よくあるパターンが、特異解をもって、物事の是非を論じてしまい、本質を見誤ることだ。例えば、無線LANは電力が小さいんだから、もっと規制緩和して良いじゃないかという視点で、規制緩和の必要性を論じはじめるのは、本質を見誤るケースだ。

  特に、通信の場合には、干渉の是非は、受信側での希望波と非希望波の信号電力比に依存するため、一意に干渉の有無を論じれない。

  単純化した例として、1m隣の希望信号源と、10m先にある非希望信号源が、同じ送信電力だとした場合、二つの信号には100倍の電力差がある。ところが、10m先の非希望信号源が、仮に100倍の数いたら、トータルの非希望信号の受信電力は、希望信号の電力と同じになる可能性がある。

 また、仮に希望信号源が非希望信号源の100倍の信号の強さだとしても、非希望信号源が10分の1の近さにいたら、非希望信号の受信電力は、希望信号の電力と同じになる可能性があるわけだ。そして、この電力比の時に、通信が満足のいく状態で可能なのかどうかは、さらに通信の方式などによって決まるが、これらは全て一定の前提条件のもとに評価されるということだ。

  このケースからも判るように、規制緩和の必要性など、普遍的というか広義な論点で、何かを論じる場合には、まずそのブリンシプルからスタートし、その前提に対する共通の認識をもったうえで、個々のケースでの特性を加味した議論へ掘り進めることが重要だろう。

  というわけで、上記の記事では、あえてこういう各論ではなく、絶対的なプリンシプルな事をもとに、書いてみた訳である。

  

  


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