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Mano Blog

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2016-03-02

_ [仕事] 組み込みね

  EveryStampの派生について、本日一つプレスリリースを行った。これは、魚群探知機による魚影・海底情報などや、水深、水質、水温、潮目、潮流、風向、風速、波高などの海洋環境情報を、 海洋業務に関連する各事業者が連携し相互利用を可能とする海洋情報流通プラットフォームを構築しようという試みだ。

  今回、ちょっと面白いのは、船などからの情報に加えて、人工衛星からのデータも重畳する点だ。こういう広域、広角な情報の収集は、特定の事業者や特定の装置で単独で行うことには限界がある。だからこそ、自律分散型で、収集し、それをシェアリングすることに意味がある。

  最初の一歩として、魚群探知機をEveryStampで制御して、そこで収集したデータを、計算能力のあるサーバーに送り、サーバー側で可視化処理などを行う。

  EveryStampには、アームベースのマイコンが載っているのだが、これにはA/D,D/Aはもちろん、PWMなど幾つかの機能が集積されている。似たようなものが最近では、小ロットでも購入できるし、それをもって電子工作的なことをする人が増えたのは、ある種嬉しいことだ。

  しかし、こういうのをさもイノベーションだったり、組み込みエンジニアリングですみたいに、大げさにドヤ顔する人が多いのには少しうんざりだ。実際に、僕がコーヒーメーカーとかゲームウォッチ、留守番電話などの民生品の開発をしていた30年前から、民生用の組み込みマイコンなんていうのは、そういう多機能なものだった。

  大きな進化は、開発用のチップと実装チップが一体化され、書き換え可能なフラッシュになった事と、RTOSなどが搭載されたりLinuxなどと開発互換ができる点だろう。

  しかし、組み込みの一番の肝は、リリースされた製品が単独で、安定して動く必要があるということだ。そのためには、データシートを、しっかりと読み込めているかが重要だ。残念ながら、今回の試作の初期のプロトタイプを実装した人は、組み込みやってますという割には、その辺りが弱かったようで、チップにある機能を素直に、かつきちんと使えば実現できることを、実現できなかった。そんなわけで、一瞬遠回りかとおもったけど、初期のものは全て捨てて良いという条件で、別な技術者に再設計をさせた。与えられた命題も、仕様にかかる情報も同じであったが、こんどは短い時間に、想定していた以上のものが動き出した。

  この担当も、小型組み込みマイコンは、初めてだけど、大きな違いは、素直にデーターシートやサポートサイトを読み込んで、そのSoCの機能を使った点だ。

  つまるところ、組み込み系とかモノつくりとかいっても、プラモデルやレゴブロックを組み立てるのは、キットの組み立てができますという手先の器用さでしかなく、新製品の設計には程遠いスキルだということを再確認した。


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