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2020-07-05 多拠点生活の前に

_ [仕事][MISC][NPO] 多拠点生活の前に

  何だか、コロナ禍の影響なのか、二拠点生活とか田舎暮らしとかが、少し話題になっている。僕は、2005年に山梨県北杜市須玉町に自宅兼、知的障害者のためのグループホームを建てて、東京と須玉の二拠点生活をはじめた。ここの建設前に、当地の集落にある知人の施設を借りての活動などを始めたのが2000年なので、かれこれ20年も東京と山梨を往復していることになる。

  僕の場合には、そもそも二拠点生活とかワーケーションとかいうのを目的にして、山梨に拠点を得たわけではないのだけど、結果的に今は二拠点生活をしている。とくに、コロナ禍の影響で、3月下旬から5月末までは、ずっと山梨に居た。6月になってからは、火曜から木曜だけ東京に行くようなパータンになっている。

  もっとも、コロナ禍の発生までは、毎月のように海外出張があったし、国内出張もそこそこにあったので、山梨どころか東京の家での滞在日数は合算しても、月のうち半分くらいだったりはする。

  というわけで、僕の場合、自分の住民票は東京都にあるので、都知事選挙も期日前投票で木曜日にして来た。ただし、長男と義母は、住民票は北杜市というわけだ。

  さて、そんなわけで、長いことそれなりに二拠点生活をしている者から、最近の二拠点生活へのニュースなどをみて、もしそういう暮らしを検討している人がいたら、少しは参考になるかもしれない事を記しておこう。

  地方での暮らしには、基本的に大きく二つのタイプがある。一つは、普通に地方の町や村落に居住するパターンで、例えば実家に住むのもこちらになる。これに対して、デベロッパーなどの管理者がいる管理別荘地に居住するタイプがある。

  この二つのどちらが自分の求める生活様式にマッチするのかは、下水道とかネットインフラとか、都心の生活拠点からの移動の便など以上に、かなり大きな影響を受けるので、まずはそこを検討することをお勧めしたい。

  もっとも、地方といっても、それなりの大きな街中(駅前というよりは街中)であれば、地方の町や村落に居住すると言っても、今時はかなり都会と変わらない。地方での生活が都会と大きく違うのは、限界集落ではなくても、中山間地域の集落に居住するケースだ。

  例えば、ゴミの収集場の管理、自治体の広報紙の配布、公民館の整備などなど、地域で共有する社会インフラの整備や域内の子供(いない地域もある)の通学の見守りや、お年寄りのケアなどなど、多くのことを集落というか地域という単位で担っていることは多い。

  こういうのは、昔は都会でも当たり前だったけど、いまは町内会などもない場所も多い。もちろん、それなりの規模の団地やマンションなどでは、自治会や管理組合があるわけで、まあまったく無いということは少ないけど、多くの場合はお金が解決している。自治体の広報誌のポスティングだって、それなりの財政と住宅密度があるから成立している。

  僕の住んでいる集落は、おおよそ南北1.5km東西100mくらいの範囲に、65世帯くらいがあり、そのうち40世帯程度が定住している。中には、別荘も数軒あるけど、管理別荘というよりは、売り切りの別荘だ。別荘や僕なども含めて十世帯くらいが、いわゆる移住者で、あとは地元の人たちで、主業農家はいないけど、兼業で稲作をしていることが多い。

   集落内では、上に書いたような様々な共益のための作業を集団で行っている。そんなわけで、集落内の道の草刈りや、防火用水としても使う水路の整備など、年間数回の共同作業や、行政広報物の配布などの役回りもある。こういうのは、社会生活をこの地域でするのには、不可欠なことで、それをお金で代替えしてくれるサービスなんてものはない。

  僕は、もともと東京の下町の花柳界という独特のコミュニティで生まれ育ったので、こういう土着的コミュニティには抵抗がないけど、都会でクールな生活に慣れ親しんだ人には、必ずしもこういうのが許容できない人も多いかもしれない。

  まぁ、なんでもかんでも郷に入っては郷に従えが正しいとは思わないが、少なくとも信念と正義をもって付き合えば、仮に不合理な既存の集落の慣習があっても、それを良い方向に変える提案が受け入れられるのは、どんなコミュニティでも一緒だ。

  たまに、自己の価値観に拘泥して、なんでも村社会ガァ...な人がいるけど、まあ、そういう人はどこでも住みにくいかもしれないけど、とにかくこういう集落などへの移住はお勧めしない。

  僕の住んでいる北杜市でも、清里に近い八ヶ岳山麓には、大規模な管理別荘地がある。こういうところは、管理会社がいろいけなインフラの整備をしてくれるし、定住率も低い。当然、その分管理費とかは必要だ。

 どちらにも、一長一短あるけど、結局のところ自分のライフスタイルと価値観との整合成の問題なわけだ。でっ、こういうのは、下水道とかブロードバンドインフラとかとは違って、根本的なことなので、ぜひ多拠点生活を考える人は、まずはどういタイプを選択するのかをよく考えたほうが良いと思うのだ。

  今夜は、雨が降り止まなかったけど、夜外にでたら中庭にオオムラサキが飛んでいた。今年は、蛾も多いけど、アゲハやオオムラサキも多いなぁ。

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