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2015-10-01 伝送距離

_ [電波][仕事] 伝送距離

  午前中は、とある案件で顧客と打ち合わせ。電波ものの開発では、常に伝送距離というのが大きな指標になる。この伝送距離については、 「よくやってみないとなんとも言えないんですが....」とか、「とりあえず実験してみないと....」的な事を、平気で言う似非技術者が沢山いる。

  これは、まぁある意味、外部要因が多いので間違いではないが、技術屋としてこういう事をいう輩は、基本的に設計をしていないだけだと思う。確かに、外部からの非希望波や伝搬路上の障害物など、外部要因は多いけど、それでもレベルダイヤを設計し、リンクバジェットを計算して、ある程度の目論見を示すのが技術だろう。そのうえで、実証実験を行い、理論との乖離について、リーズナブルな理由を確認できれば良い。

  実際に、僕はRoot,Inc.の時代から無線機器を沢山開発してきたけど、それらは、こういうブロセスを行ったうえで、フィールド試験に挑み、その結果も反映して、開示する仕様などを決めてきた。

  一方、電波が専門ではない一般の方にとって、ついつい伝送距離は、電力だけで決まると思われてしまうことがある。また、アンテナについても、かなりの比率で軽んじられる傾向がある。伝送距離は、周波数、帯域幅、送信電力、送受信アンテナ利得、受信側の感度(NF)、処理利得と所用SINRで決まるのだが、アンテナ利得とか処理利得と所用SINRは、意外と蚊帳の外だったりする。

  とても、当たり前の事だけど、他の要素が一緒なら、周波数は高い方が、伝送速度は速い方が伝送距離が短くなるんだけど、この辺りも、電波に馴染みのない人には伝わりにくい。というわけで、今朝はこの辺りの解説を、クライアントにさせていただいた。

  午後からは、大阪に移動して、某大手家電メーカーの先端技術研究所で、標準化の話とEverySenseの講演をさせていただいた。いづれも、それなりに興味をもっていただけたようで、何よりだった。

  明日の午後も梅北で研究会に参加なのだが、諸般の事情により、日帰りで東京に戻った。


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