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2015-03-12 蚊帳の外?

_ [電波][仕事] 蚊帳の外?

  今日でIEEE802.11のレギュラーセッションは、明日のクロージングを残して無事に終了。IEEE802.11aiは、参加者の積極的な寄与で、491のコメントを残り17まで解決できた。無理すれば、次の書面投票へも進めたかもしれないが、最終的な上位の書面投票の日程は変わらないので、もう少しレビューの時間を置くという意味でも良い進捗だ。

  それにしても、ここにきて無線LANは、色々と難しくなっていきている。まぁ、無線LANというよりは、電波政策そのものの問題ではある。アメリカでは、無線LANのような自由に使える電波帯域増やすことを、ホワイトハウスが主導して、FCCが動き出している。これに対して、既存の割りあてをもつ自動車業界が、いろいろと実績を作って対向している。そこで、IEEE802.11では、タイガーチームを有志で募って、この共存問題に対する解決策の提言を纏めて来た。

  昨日のWGの中間プレナリーで、.11WGとしては、レギュラトリーを担当する.18WGを通じて、この報告書をFCCに提出することを採決した。

  しかし、これを受け取った.18WGでは、提案の根拠や骨子を骨抜きにするような条件が付された採決となった。この背景にあるのは、自動車業界Vs無線LANではない。免許不要バンドに対して、従前からの無線LAN業界の中心にあるベストエフォート,自律分散型に根ざす企業は、自動車系との共存を目指している。しかし、通信キャリア向け端末で成功してきたインカンバント指向の企業は、この機に根本的に支配性の強い電波利用帯域を確保したいようだ。まぁ、言うならばインターネットVs電話網の戦い無線版というのが、根底にある。

  ただ、どちらにしても、国の電波政策に対して、民間企業が集まって、濃い議論をだして提言を取り纏めて、ロビーイングするというのは、日本ではあまり馴染みのない事だ。また、この報告の中では、米国だけでなく、欧州系の企業も参加して、欧州での利用帯域の話しもしっかりと触れている。これに対して、日本は完全に蚊帳の外だ。

  日本では、DSRC等の自動車系の通信機器会社から監督官庁に、米国で11acが普及して、その端末が日本に入って来たら干渉するから大変だという声が届いてるらしいが、このような連携した提言を民間が独立して行うなんてことはないようだ。

  結局のところ、どうしましょうか?と行政にお伺いを立てて、何とかしてくださいというのが関の山のようだ。結果的に、欧米の動きがでたら、監督官庁からお達しがでて、やっと動き出すということだろう。

  日本の業界の人達が、このタイガーチームに参加して、報告書を日米欧で共通のものにして、それを日本の監督官庁にぶつけるような戦略は、まったくもって考えてもいないのではないだろうか?

  かつて、通信事業に参入した某ベンチャーは、外圧をうまく利用していたけど、ああいう戦略性が企業単体のメリットだけでなく、国際競争力も醸成するのではないだろうか?

_ [] ドイツ料理

  結局のところ、今回の出張では、夜はあまりまともな食事ができていないかった。今日は、 チェアミーティングのあと、今回で勇退される某社の方の壮行会ということで、ドイツ料理での会食。

  そんなに、好きなものでもないけど、一応お約束なので、アイスバインを注文。この大きさは、見ただけでゲンナリしなくもないけと...ザワークラフトとマスタードのお陰で、そこそこに堪能できた。

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