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2018-03-08 議長と司会

_ [仕事] 議長と司会

  参加しているIEEE802.11 Plenaryで、今日の午後は、新しく始まったBCS(Broadcast services)の2回目のセッション。このグループは、僕のもと同僚が起案して、僕も共著として前回のミーティングで、正式にスタートが承認されたものだ。

  正式には、明日の午後のEC(Executive Committee)で、SG(Study Group)として承認されるので、今回はTIG(Topic Interest Group)という形で開催されている。

  TIGということで、このグループは標準化策定の手順において、なんらかの承認などの機関機能を持たない。とはいえ、複数の人たちが集って、会議をするので、そこには合意形成や確認という行為が必ず生じるのが会議だ。つまり、井戸端で世間話しをして、その発言になんの責任も生じないというわけではない。

  したがって、当然ながらTIGとして議長も書記も選任されている。議長は、僕と長年にわたりTGaiのリーダーシップを務めたドイツの研究者が僕の会社のアフリエーションでアサインさてれいる。また、書記には、このグループの起案者である、僕のもと同僚が担っている。こういう新しいグループの立ち上げ時は、毎度のことだけど、きょうも50人を超える人が参加して、有効な議論をし、それを議長が適切に仕切って、このグループに出ていない人にもきちとん説明できるようにとりまとめている。この議長の役割をするということは、英語的にはLeadership と呼んで、まさに仕切り役がとても重要なのだ。

  たまたま、日本でも同様に機関決定は持たなくても、複数の人が集まるという会議は沢山あるのだが、その多くは議長の役割があまりに軽い。中には、こういうのを「司会」なんて言葉で、分け隔てる人もいて、正直こりゃ無責任でダメだわと感じてしまうこともある。

  すくなくとも、二人以上が集まって、なんらかの話をして、そこに合意形成があり、またその二人以外にもその合意を知らしめたりするのであれば、会議としての議事運営がされることが求められるだろう。

  この目的は、参加している人はもちろんのこと、参加していない人にも、内容を伝えたり、その内容に対する意見を挟む余地を与えるためには、最低限必要なことだ。こういう議事運営を厳密にしないことが調和だなんていうのは、とんでもない勘違いで、その似非調和の演出こそが責任逃れと独断専横の現れに僕には見えてしまう。

  連絡会議的なものだから議事録を取らない、事前にアジェンダを用意しないなんていうのは、一見とても「ゆねふわ」な雰囲気だけど、実はそれがいちばん参加者の権利を阻害しかねることになる。

  もちろん、ブレストのようなディベートをしない作業もとても重要だし、飲み会のようなまさに自由な集まりも必要で、それならそれでそういう設定をすれば良いわけだ。

  結婚式の司会も宴会の司会も、基本的には合意形成じゃないから議長とは呼ばないけど、それと議長を混同されて、会議みたいなものを開催するのは、よく言われる無駄な会議ばかりということになってしまう。

  働き方改革と言う意味では、やはり建設的な仕事の仕方を考えることが重要になってくるので、この辺りのことをもう少しマネージメント層が意識しださないと、日本の国際的な競争力は弱まるばかりかもしれない。

  まぁ、こいうことを言うと「言われることは判るんですけど....」的に返されることが多くて、そういう人に限って口だけで、実際には議事運営なんて調べたりしてなくて、いつまでも変わらない。

  ところで、今回の会議は、シカゴで開催されていて、まぁみなさん二言目には"Chicago Stype Politics"でってジョークを飛ばす。こんなジョークがあること自体が、合意形成を本当に意識している現れなのかもしれないな。


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