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2025-06-11 通信・放送の融合

_ [仕事][][電波] 通信・放送の融合

  参加しているWi-Fi Alliance Member’s Meetingの2日目。今日は、僕がチェアをするWi-Fi Broadcast TGの初めての実会合が午前中にあった。残念ながら議論の内容は、NDAの対象なのでここに書けないけど、IEEE802.11bcに基づいた仕組みをWi-Fiで取り入れる話。

  歴史的に見ても、無線通信の利用形態は放送と通信とに大別されてきた。電波の利用という意味では、レーダーなどに代表される計測という用途もある。このうち通信の方式としては、電波法の施行規則でも、「単向通信方式」「単信方式」「複信方式」「半複信方式」「同報通信方式」などに類型化されている。

  しかし、デジタル通信の出現によって、こと通信と放送に限っては、電波を何に使うかと、電波をどう使うかというレイヤーは、階層化され、用途と周波数割り当てを強くバインディングすることは、もはや意味をなさなくなった。このことは、もう20年以上前から周波数行政の課題として、僕は指摘してきたけど、まぁ既得権益の強さは簡単には変わらない。

  そして、その活用の方も、実態は大きく変わってきたとはいえ、通信事業と放送事業という岩盤な規制の壁がある。このテーマも、もう四半世紀以上にわたり、通信・放送の融合という議論が続いて、大分変わってきたけどね。

  そんな中、11bcは無線LANを「同報通信方式」として活用するもので、端末がアクセスポイントに接続をすることなく、単純に受信端末として働く。つまり、ラジオやテレビと一緒だ。これができると、理論的に無制限な数の端末に同時にコンテンツを配信できる。ここでいうコンテンツは、画像でも動画でもテキストメッセージでも良いので、新たな市場創出につながると期待している。

  特に、災害などでインターネットや携帯網に接続できない孤立した環境でも、APがあればそこにいる人達に情報を速やかに伝えられる。これは、避難所などで二次避難が必要になった場合のアナウンスや、緊急速報的な用途に有益だ。特に、この方式は、端末が送信をしないので、消費電力を抑えられることも大きい。

  というわけで、この方式の社会実装に向けて、Wi-Fi Allianceでの規格化の議論が始まった。

  2日目は、ホテルのテラスで簡単なソーシャルが夕飯時刻の前にあったけど、あまりに寒いので早々に退散。しかも、今夜は日付が変る時刻から、明け方までSIPの会議に出る関係で、夕飯もパスして、一旦仮眠をとることにした。

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