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2025-07-09 AIと戯れるシリーズ

_ [仕事][電波][MISC] AIと戯れるシリーズ

  最近、私はある実験的な試みを続けている。

  日々の記録をAIに読み込ませ、特定の作家の文体に変換させる。だが、それは単なる言い換えではない。指定された作家の語彙や構文の癖、よく登場する情景や展開までもが再構築されることで、文章の完成度は一段と高まる。あらかじめ自分の中でその作家の作風をイメージして原文を書いている以上、それは単なる模倣ではなく、共創に近い。

  このようにして生み出された文章は、果たして誰の著作になるのか――そんな問いが、今や国レベルで議論されるようになった。技術は法制度の想定より遥かに先を進んでいる。それは、少しだけ不安で、同時に、目が離せない未来の断片でもある。

  今日の午後は、その問題とは直接関係ない所用で、霞ヶ関の総務省を訪問した。庁舎への入館は受付と身分確認こそあるものの、荷物検査は行われていない。日本の治安の良さの象徴にも見えるし、反面、油断とも言えるだろう。実際、数日前にはこの建物で不審者の騒動があったばかりだ。それでも、入館システムは変わっていない。危機を乗り越えたというより、忘れることで処理しているように見えた。

  夏の人事異動で新たに着任した知人たちへの挨拶も兼ねていたのだが、予想外に懐かしい顔ぶれと再会し、想定より長居をしてしまった。だが、頼りになる人物ばかりで、その点は良い時間だった。

  夕方には、別の知人と寿司を囲んだ。会話の中に緊張感はなく、情報戦とも無縁の穏やかな時間だった。

  夜、自宅に戻ってから、SNSを確認すると、以前アップしたAIリライト済みの日記に反応があった。コメントをくれたのは、馬のエンデュランス競技で知り合った知人の女性だ。彼女自身、100キロを超えるトレイルランを走破する強靭なアスリートでもある。

  「文章、ずいぶん雰囲気が変わったね。すごく読みやすかった」

そう書かれていた。私は正直に返信した。

  「あれはAIでリライトしたんだ。作風指定で、ある作家風に」

彼女からはすぐに返事があった。

  「なるほど。けど、芯はあなたのままだと思うよ。……今度は私もやってみようかしら」

  その一文を読んだとき、なぜか私はスマートフォンを持った手を少しだけ強く握っていた。

  この記録も、将来誰かがAIにリライトさせるのだろうか。そんな想像をしながら、私は静かに端末を閉じた。

  というわけで、今日は松岡圭祐風にリライト。でも、やはり事件が起きないと読み物としてはダメだね。


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