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2007-01-19 Wi−MaxとIPv6

_ [電波] Wi−MaxとIPv6

   総務省の広帯域移動無線アクセスシステム委員会技術的条件作業班(第9回)に参加する。 これは、2.5GHz帯に割り当てる無線システムの技術検討で、世間ではWi−Max IEEE802.16が一番認知度が高いが、次世代PHSやIEEE802.20も検討されている。 昨年末に中間報告があり、それに対する公聴会としてBWAカンファレンスが開催されたわけだが、その中で地域情報化などの有効な手段としてFWA的(固定通信)利用を検討するべきという意見(僕もしました)があり、これを受けて作業版が再開されたものだ。 さらに遡れば、一昨年のワイヤレスブロードバンド推進研究会の報告を受けてこの委員会は始まっていて、この研究会には僕は参加していたのだが、こちらの委員会には参加していなかった。 今回、FWA的利用の検討にあたっては、FWA的利用を検討するため、数名が作業班の構成員として追加された。 とりあえず、今日の作業版では、今後の検討の方向付けを確認し、FWA的利用を推進する一人として、想定する利用シーンを説明する機会を得た。 世の中では、夢のような移動体通信としてモバイルWi−Maxへの期待が高まっているが、一方でブロードバンド・ゼロ地域と呼ばれるADSLさえも加入できない地域が未だ残っていて、この解消は大きな政策課題となっている。 実は、今日はこちらの委員会の前に、APPLIC(財)全国地域情報化推進協会に出席していたのだが、そちらでは、切実に地域でのインフラを解消したいという自治体からの意見があり、ADSLの誘致も出来ないという現状だ。 こんな中で、欧米などでは、IEEE802.16dを使って、FWA的利用の実績か沢山有るのだが、日本では夢の移動体通信一辺倒だ。 ところが、ベンダも含めて、製品は開発途上、チップメーカはPCに搭載すると言ってるが、それもまだ先の話なのだ。 なんだか、これはIPv6に似ていないか? と思ってしまった。 世界標準だと声高に叫び、当初はIPv4をテイクオーバーするといっていたが、結局は未だにメジャーではない。 もちろん、技術的なよさも、そのメリットも判るし、ぼくもIPv6が悪いとは思っていないけど、新技術に執着するあまり、解決できる目前の課題が放置されるのは困ったものだ。 技術研究者にとっては、明らかに新しい技術に取り組むことの方がモチベーションが上がるのだろうけど、一方で既存の技術を有効に利用することも重要だ。 もちろん、それが将来の新しい技術革新を阻むのであれば問題だが、一定の条件のもとに、マイグレーション可能な既存技術を利用することを並行に検討することも必要だろう。


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